付録 / 午前「業務の流れを書き出す」で使います
ホワイトボードに付箋を貼るとき、これだけ守っていただければ十分です。 厳密に書こうとしないでください。細かい作法を並べても現場では守られません。 この9つだけで、午後の応用ワークにそのまま使えるものになります。
付録の一覧に戻る①〜⑥は業務フローの基本、⑦〜⑨はAI化のために足したものです。 ⑦の数字が入っていないと、午後に「どこから手をつけるか」が決められません。
| 原則 | 中身 | |
|---|---|---|
| ① | 複数の作業をまとめない ── 分解する |
1枚の付箋に動作は1つ。レーンをまたぐときは渡す側と受ける側で2枚に割ります。目安は「1人が、誰も待たずに、一息で終わらせられる単位」。
✕ 「通関依頼」1枚でレーンをまたぐ / ◯ 「通関依頼」+「通関依頼受領」の2枚 |
| ② | レーンをまたぐ時は、 渡す情報を書く |
青い付箋で明記します。粒度は書類名くらいの抽象度(「インボイス」「社内指示書」「B/Lドラフト」)。
書けない矢印は、分解が甘いか、レーンの切り方が違うサインです |
| ③ | 矢印は プロセス→プロセス、 プロセス⇄システム |
この2種類だけです。
✕ 情報→プロセス、システム→システム、情報→システムは引きません |
| ④ | 組織は、やり取りが違えば分ける | ✕ 「取引先」で1レーン / ◯ 「荷主」と「船社」と「協力会社」で3レーン |
| ⑤ | プロセス名は 「なにを」「どうする」で書く |
✕ 「入力」「確認」「作成」 / ◯ 「搬入日入力」「インボイス照合」「指示書作成」 動詞だけの付箋は、情報量がゼロです |
| ⑥ | 使う言葉を、その場で揃える | 「案件」「引き合い」「依頼」が同じものなら、どれか1つに決めて全員がそれを使います。
この作業自体が、あとでAIへの指示文や台帳の項目名を決めるときに効いてきます |
| ⑦ | 所要時間と件数を書き添えるAI化用 | 各付箋の右下に「1回◯分」「月◯件」。実感値で十分です。
待ち時間は、作業時間と分けて書いてください(「自分が手を動かす5分」と「返事を待つ2日」は別もの) |
| ⑧ | 痛みを赤い付箋で刺すAI化用 | 遅い/二重入力/待ちが発生する/人によってばらつく/ミスが起きる。
赤が集まった場所が、AI化の第一候補です。午後の題材はここから選びます |
| ⑨ | 分岐も書くAI化用 | 「不備あり/なし」「危険品/一般」など。
例外処理の分岐こそ、いちばん時間を食っていることが多いです |
迷ったときは、この3つだけ
9つ全部を覚える必要はありません。当日はこの3つだけ意識してください。
① 「入力」ではなく「何を入力するか」を書く(⑤)
② 矢印は最後。付箋を貼り終わるまでマーカーを持たない(先に線を引くと付箋が動かせなくなります)
③ 「1回◯分」「月◯件」を必ず入れる(⑦)
輸出案件の入口のところだけ、見本を置いておきます。こういう粒度で書ければ十分です。
輸出案件・依頼を受けてから船腹を押さえるまで(例)
黄=作業(なにを・どうする+時間と件数)/青=レーンをまたいで渡す情報/赤=痛み。 この例では「依頼内容を読み取る」に赤が付いており、ここが午後の題材の候補になります。
たった1つです。
青い付箋が入って、青い付箋が出る。その間の変換を、AIにやらせる
原則②(レーンをまたぐときに渡す情報を書く)を守っていれば、 各作業の入力と出力が、すでに図の上にあります。それがそのまま、ワークフローの入口と出口になります。
逆に言えば、入力と出力が書けていない工程は、まだ分解が足りていません。 そこはAIに任せられるかどうかの判断ができないので、先に分解してください。
きれいな図にすることは目的にしません
業務フローは、清書しようとすると、それだけで時間が溶けます。 午前のゴールは、清書された図ではなく「午後に自分が作るものが決まっている状態」です。
書き出して、赤い付箋を刺して、そこから題材を選ぶ。そこまでで十分に目的を果たせます。 書いていただいたものは写真に撮ってそのままお渡ししますので、ワークが終わるまでは消さずに残しておいてください。